どっちが幸せなんだろう、お金は人の考えを変える

彼はお金にあまり執着がないというか、幸か不幸か、これまでそんなに真剣にお金の必要性を考えてなかったとのだと思う。。。自営なので危機管理という意味での蓄えはしてきてたようだし、老後のこともちょっとは考えていると思うけど、現実味がないというか。。。具体的でないというか、それは私も全く同様。

彼は去年「家を買う」と初めて思ったようで、その時に今の仕事のスタンスだとどのくらいの家なら買える、でもそれって自分の住みたい家でない、というような現実的な事を目のあたりにして、最近は仕事とお金が結びついたらしく、今までなんと自分は安売りをしてきたんだろう、という20年分の後悔をしているみたいだ。
そんな彼には見せられないが、彼が買い貯めた修理の終わっていないピアノがまだまだあるけど、私がここに来てからだけの売り上げだけど、元は取れたかな・・・でも全然儲かってない。他の大勢の調律師がピアノの修理をやりたがらない理由はこれだと思う。調律の仕事をしながらやるのは大変。でも調律の仕事が少なければ、趣味みたいに楽しくできれば面白い仕事ではあるみたい。でも力仕事だから、年齢的な制限もあると思う。もちろんこれも彼が他所の半分くらいしか請求してこなかったからで、そこそこ普通に頂いていればもう少し収益が出てたと思う。

で、最近は考えを改めたようで、ようやく人並みに料金をいただくようになった。でも2年前に契約をしたお客さんは格安で受けてしまって、改めて仕事量に対して料金が釣り合っていないと嘆く事態になった・・・

さらに、自分は1時間も2時間も約束の時間に遅れてお客さんちへ行って小言を言われた時に「あの人たちはNYCの人だから」って私には訳のわかんない理由で相手が悪いくらいの態度だったくせに、自分が待たされる側になった時に「時間にルーズで困る」なんて言う。音楽祭などのイベントでは1日に2回くらい同じ場所へ足を運ぶ事がある。リハーサルが何時まででその後に調律という予定で、さすがにこういうのには遅れて行かないのだけれど、大抵リハーサルが長引くなど、待つ事が多くなる。30分くらい待たされるって普通みたい。でもイベント企画者は時間にお金を払ってくれないので平気で待たせる。
そういう部分では彼の関わっている芝居系の人たちは態度がとっても悪いらしい。ま、だからか、たまに帰宅して口を聞かないこともある。きっと面白くない事があった日で、面白かった日には口が軽いからすぐにわかる。
お金にこす辛いという話に出てくる人にはジューイッシュが多い。音楽家にユダヤ人が多いってことかもしれない。

日本はお客さまは神様的サービスをするけど、営業でもレストランでも、働く人は召使いではないので「対等」という意識があるから笑顔やお愛想のないのも普通のように聞いたけれど、いやいや、やはりそんなに割り切れたもんでない。お金のことを考え出すと楽しい事が減るような。。。って、これはお金がない人の悩みだな。でもだったら、ない事を考えないで済む生活がしたいし、お金の奴隷にだけはなりたくないと思ってきたのだけれど、時と場合によってはなり得る。シビアだ。

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