日本語の「それは難しいです」

彼女は日本人だけれど外国生活が長いので日本語に疎くなっているようだ。結構頻繁に日本へも行っているようだけど、先月の日本滞在では最後の方は早くアメリカに戻りたいと思っていたそうだ。日本での相手の受け答えが曖昧でイライラしたらしい。彼女は日本語も普通に話すから、それだけに相手は普通に日本人と思って話していただろうと思うし「それは難しいです」と断ったのに、予想しない質問がきてびっくりしたのだと思う。マニュアルにない事は言えないのかな、と彼女は言っていたけれど、それよりはきっと「難しい客」「面倒な客かも知れない」と警戒されたんじゃないかと思う。

その質問は「それは難しいです、って難しいからできないのか、難しいけどできるのか、どっちなの?」と問い詰めると相手は「少々お待ちください」と一旦下がってしまったという。問い詰めるという言い方は彼女の本意ではないかもしれないけど、普通の口調にもキツイと感じるところがあるから、普段を知らない人が彼女の口調でこの質問をされたら、きっと聞いた方はそう感じたと想像する。

具体的な場面を知らないから確かな事はわからないけど、こちらのお願い事に対して日本語の「それは難しい」という返事は「No」だと私は思う。私も日本を離れて長くなるのでちょっと自信がないけど。でも英語だってNoとはっきり言わず、結構な長いくだりがあって「できない」と言う説明をされる事はある。はっきり「No」と言わないところは一緒でも、どうしてできないのかを説明するって言う点は日米の大きな違いだと思う。私など英語で長い説明は無用なのでNoとはっきり言ってくれた方が親切と思うんだけどね。日本語ではグダグダと説明せずに、そして「できません」とはっきり言わずに「それはちょっとむずかしいです」で片付くところが、時には互いに簡単で良いと思うけど、ビジネスシーンで外国人がわからない日本人英語、と言うのに「It is difficult」というのがあった。彼女が言ったのと同じことが書いてあったと思う。外国人にはdifficult「 難しい」と言うだけでは、できるのか、できないのか、言葉の文化が違うから通じないと書いてあったと思う。

言葉って難しい。

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